院内新聞

小児矯正の装置と作用の違い

子供の時期の矯正装置はそれぞれタイプによって特長が異なります。
ここでは最も頻繁に使用するものとその効果について説明します。

A間に噛ませる系の装置
口呼吸の場合、かみ合わせを若干高くする効果を持った装置が多いですが、バイオネーターのように、そうでないものもあります。

A−1 バイオネーター
バイオネーターは、下顎後退の場合や積極的にかみ合わせを上げたい場合に使用します。かみ合わせを上げずに下顎を前方に成長させる事もできます。
拡大あり・なし、誘導面あり・なしなど、いくつかのバリエーションがあります。
A−2 ムーシールド
ムーシールドは、受け口で使用します。舌の機能力を利用した装置で、(遺伝ではなく機能に起因した)受け口を短期間で改善します。年単位の長期使用の際にはかみ合わせを上げる効果があります。
A−3 T4K、EFライン、プレオルソ、マルチファミリー
これらはマウスピースタイプの既製品です。下の歯列の拡大で早期に下の前歯を整える効果が期待できます。長期使用でかみ合わせを上げる効果があります。かみ合わせが強いと壊れることがありますので注意が必要となります。上の歯列を広げるには他の手段を併用することもあります。
マルチファミリーはブラケットをつけながら使用することもできます。
A−4 その他(フレンケルの装置、アクチバトール、ビムラーの装置)
これらのなかには昼間も装着しなければならないものもあります。昔から使用されているものもありますが、複雑な構造を持つものも多いです。

B 上下が分かれている装置

B−1 拡大床、咬合挙上板、ツインブロック装置
歯列を広げる際に使用します。かみ合わせを上げる効果は少ないと思われます。
積極的にかみ合わせを上げる機能を持たせたものは、咬合挙上板といいます。
バイオネーターのように顎を前に成長させる機能を持たせたものはツインブロック装置といいます。
B−2 クレア
上下につけるマウスピースで、真ん中にバネがあります。
歯列を扇形に広げる際に使用します。口呼吸の場合、長期使用でかみ合わせを上げる効果があります。
SEC−IIIのように下顎前突の補正に使用することもできます。
顎関節症状の緩和、かみ合わせのずれがある場合の安定化にも効果があります。
B−3 アクティブプレート
拡大床と見た目はあまり変わりませんが、個々の歯を動かすバネや変則的な拡大を行うためのねじを持った装置です。噛み合う面を覆ったものはサジタルアプライアンスと呼ばれます。

C 固定式の装置

C−1 急速拡大装置
上顎の骨のつなぎ目を急速に開くことで、極めて短時間に上顎を拡大します。拡大量が10mm以上と大きいため、若年齢で鼻の形態を変えることがあるので使用年齢に注意が必要となります。
C−2 ペンデックス
上顎急速拡大装置とペンデュラムのあいのこで、両方の機能を持った装置です。
C−3 ペンデュラム
振り子状のワイヤーのバネ力で上の奥歯を後ろに下げる装置です。
C−4 GMD
スプリングのちからで上の奥歯を後ろに下げる装置です。
C−5 リンガルアーチ、パラタルアーチ
歯の位置を固定しておく装置です。ほとんどの場合は、夜間装着する帽子(ヘッドギア、ネックバンド、あるいはEOA)と併用して上の奥歯の位置や下顎の成長方向を三次元的にコントロールします。
C−6 クワドヘリックス、バイヘリックス
上下の歯列を広げる装置です。歯並びの拡大に補助的に使用します。骨を積極的に広げる効果はありません。
C−7 NHA
上の奥歯の位置を止めておく装置です。
C−8 Carrier distalizer
輪ゴムをかけてもらい、上の奥歯を後方に送ります。
C−9 リップバンパー
下の奥歯を後ろに下げる装置です。

小児矯正・装置のイメージについてはこちらもご覧下さい。

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