院内新聞

・・矯正専門医のためのRoth Philosophy実践コース session1

患者さんの分析などで忙しいので、ホームページをまめに更新はなかなかできませんが、このことだけは大事なので投稿しようと思います。

Rothの2年間コースの1回目です。5日間恵比寿に滞在しました。


左は根本的には顎関節の病態把握が必要なShort ramus(短い下顎枝)、右は正常な人の例。通常の矯正では左のような人のあごの成長はどうしても運任せとなってしまいます。成人でもそうですが、簡単な結論から言うと矯正はいかにアゴを安定化させ、アゴを開かせないか(技術的には閉じた方が良い)が噛みやすさや仕上がりの善し悪しを決めることになります。

子供のアゴの発育にCTやMRIの撮影がいかに大事かがよくわかりました。
矯正ではアゴの形を知るのにセファロというレントゲン写真を撮るのですが、アゴの関節を同様に計測、形態の把握をするために左右顎関節のCTを一生に何回かのことですし撮影した方が良いとつくづく思いました。

なお、当院のCTは患者目線で考え世界最低レベルの線量ではありますが、そもそも、物理学者によれば医療用レントゲンは食べ物などで放射性物質を飲み込むわけではありません。甲状腺癌などは食べ物の中に入っている放射性セシウムなどに由来しますので、一生密度の高いアルファー線、ベーター線、ガンマ線を集中的に浴び続け、その影響は比較になりません。医療用レントゲン自体ガンマ線なので密度も低く細胞に影響も与えない安全なものです。

親御さんに何度も撮影することで怒られることがあるのでお書きしますが、お子さんのあごの関節を撮影する時にはプレビューモードで1−3回程度、くるっと試しに撮影します。これは2μSv程度で、4回やってやっと乳歯を撮影するためのフィルムレントゲンの線量に一致する程度です。それで位置を確認してから本番の撮影を行います。ボケてしまうと意味がないので最高画質で撮影しますが、X線による撮影範囲は最小限に絞ります。それで左右取って合計76μSv程度となります。傍から見れば5回も取り直ししているように見えるかもしれませんが、そうではなく正確に位置を決めた上で本番は左右1回づつしか撮影しません。なお、病院の歯科で頭蓋全体を詳細に撮影する場合は(成人で)1000μSv程度です。

左右顎関節CTを一生で5回くらい撮影させてもらい、(状況によりMRIも撮影することがありますが)時には抜歯を併用しながらきちんと顎関節の状態も確認することであごの自然の成長を促進し、ギリシャ彫刻あるいは井川遙ような自然で美しい側貌「に近づける」ことと、歯ぎしりのないリラックスしたアゴの状態を維持する治療を行うことが技術的に可能であれば最も良いと思います。

MRIによる顎関節症の診断調査、顎関節と成長、機能に関わる論文の一部

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