院内新聞

下の奥歯が生えきれるか。子どもの矯正におけるありふれた、かつ重大な問題

下の奥歯がいつまでも生えきれないことがあります。

20歳近くなっても生えていません。

このようなお子様は日常茶飯事で、実にたくさんの患者様がこのような状態です。
下の奥歯の生えるのを1−2年待って、それでも歯ぐきに半分が埋もれて位置不正があり、さらにそれをそろえるつもりでワイヤーを入れて治療をし、それでも歯ぐきに埋もれたままで、さらに2−3年後結局抜きましょうということもあり得ます。
また、下の一番奥(親知らずの一本手前)の奥歯のために小臼歯を上下4本抜歯しましょうということもあります。
下の奥歯が生えきれるかどうか、事前に予測ができればこのような①下の一番奥を完全に歯ぐきから生えるまで待ったがいつまでも歯ぐきが半分覆っている、②噛み合う位置になかったため並べるための努力をし結局噛み合う位置には来たが、後ろ半分が歯ぐきに覆われてしまった、③抜歯回避を意図したものの結局やむなく抜歯となり、治療期間がかかった、④一番奥の歯が矯正後に再治療が必要となった、⑤一番奥の歯だけがまだ生えていないか、生えきれずに並んでいない、他は全て並んでいる状態から1-2年ブラケット装置がついたままとなっているなどのよくある問題を防ぐことが出来ます。
当院での判断基準はこのようになります。

[CASE 1]

(女性、10歳時)10歳時のレントゲンである程度判断します。この図の線で表している奥歯は6歳臼歯で、その後ろに生えるべき歯が12歳臼歯です(さらに後ろが親知らずとなります。)。12歳臼歯の生えられるスペースは図の赤線の距離です。この御年齢での赤線の距離の標準値は9.9mmですが、この人は10歳ですが6mmしかありません。つまり4mm程度足りないことになります。
その1年後がこのようになります。

平均的に10歳女子では年間1mm程度この値は増加します
案の定11歳ではこのような値になりました。平均的な1mm程度の増加では、依然として11歳での標準値と比べると4mm程度足りないというのは当然、変わりません。

口腔内はこのようになりました。下の12歳臼歯(一番奥に見える歯)の萌出スペースが不足してほとんど歯ぐきに埋もれているのが分かると思います。
結局CTでもこのように上下の前歯が前方に溢れて傾斜し、根っこも骨から出てきたので上下小臼歯抜歯(下を抜くなら上も抜かないといけない。)となりました。
[CASE 2]
ケース1のご兄弟です。

(9歳女性)9歳での状態です。標準値は7.2mmですが、本人の値もそれに近い状態です。

11歳半の時です。平均的な成長量の予想通り、2-3mm程度のスペースが出来ており、標準値と同じような値ですので”スペースが足りている”となります。

その後装置で並べているときのお口の中です。下の一番奥と一個手前の間に段差があり、引っかかって生えきれない状態になりました。

ですが、数字的な予想通りなんとか並べることができそうです。

これから示す例外、CASE3,CASE4のように、実は、四角いお顔立ちのタイプ(ブラキフェイシャルタイプ)や、当院で使っているスプリントという装置を使ってあごの成長を促すと下の一番奥の歯が生えきれることがあります。

[CASE3]
Teucher装置の患者例

(9歳女性)下の一番奥のスペースが標準よりも大分少なめです。

3年後になります。下の一番奥のスペースが8mmと通常の平均的なところからの予想を遙かに超えて出来ています。

9歳(青)から12歳(ピンク)で、下の奥歯が著しく前方に移動しているのがおわかり頂けると思います。
[CASE4]
スプリントでの患者例

(8歳6ヶ月男性)8歳6ヶ月の状態です。スプリント治療を3年行いました。

12歳10ヶ月です。2mmだったのが10mmに増え、標準値よりもスペースが大きくなりました。

黒から青に、下の奥歯がすごく前に移動しているのがおわかり頂けると思います。

理由としては、スプリント治療によってあごの関節の骨が長くなって下顎が成長し、通常のペース以上に下の一番奥の歯が生えるスペースができています。

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