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院内新聞

小帯の付着異常を見直す

小帯というのは下図のような粘膜上皮繊維のつっぱった部分のことです。(下図)
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        上唇小帯                舌小帯

今回は、放置した場合の問題点と、当院での処置とその後の変化についてお話しします。

上唇小帯の短縮
上唇小帯は上唇の粘膜と左右の歯ぐきの間にある結合組織で、子供のけがで自然に切れることもよくあります。成長期で問題ない程度であれば、上顎の成長にともない自然に上に移動することもありますが、お子様の矯正で来られた親御さんで、以前矯正をして上の前歯の間を閉じたものの、上唇小帯が原因でまた上の歯の間が開いてきたという人もいたりで、ある程度からは自然になくならない事も多いです。
程度が大きな場合、上の前歯の間に隙間ができるだけでなく、上口唇の運動が制限され、口輪筋の発育を阻害することで上唇の翻転や弛緩、上顎骨の垂直的な発育を阻害したり、上唇小帯が上顎前歯の萌出の妨げになることで、スマイル時の上顎前歯の見え方に影響を及ぼしたり下唇とオトガイの緊張などの間接的な原因となる可能性があります。上唇小帯の切除は、電気メスで不十分な場合は、乳歯の抜歯のように歯ぐきだけに麻酔をして、メスによる減張切開および縫合を行います。
お子様の上唇小帯を切除すると上口唇が伸び、動かしやすくなるだけでなく、上口唇が伸び見た目も変化します。

舌小帯の短縮
舌小帯は新生児では粘膜上皮組織ですが、3歳以降は結合組織に置き換わり、硬くなることで可動性がなくなります。
舌小帯は通常は膜状ですが、短い場合には舌小帯短縮症といわれ、舌の挙上不全を引き起こし、開咬や下顎前突、上顎の発育不全の原因となったり、滑舌や嚥下の機能などに影響します。舌の挙上不全はいびきや突然死を引き起こす睡眠時無呼吸症候群(SAS)と関わりがあります。オトガイの筋肉と癒着している場合は舌癒着症といい、鑑別診断が必要となります。舌癒着症の場合は小帯部分の結合組織の範囲だけでは済まないため、舌小帯の切除は勧められず、経過観察が妥当とされています。
舌小帯の切除は、以前行ってきた電気メス(あるいはレーザー)では瘢痕形成により術後、効果が不十分なことがあるため、乳歯の抜歯のように歯ぐきだけに麻酔をして、メスによる減張切開および縫合を行います。術後の口内炎の心配はほとんどありません。当院ではいきなりは行わず、慣れてから病院に紹介致します(注:2019年現在、当院で切除は行っておりません。)。また、舌小帯を切除すると舌の動きやコントロールが良好になり、歯並びにも良い影響を与えます。

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                  頬小帯

頬小帯の短縮
歯ぐきというのは頬粘膜と異なりもともと可動性がなく、通常歯の周囲を帯状に覆っています。しかし頬小帯が短かったりすると上の写真のように部分的に歯ぐきがなくなる場合があります。このような場合、頻繁に腫れたり、歯ぐきがない所から一気に歯周病が進行することとなります。私の経験ではこういった歯ぐきがほとんど無い部分(小臼歯や第二大臼歯に多い)の腫れや痛みは歯周病の中でも頻繁に見られます。このような部分は、歯ぐきによる免疫のバリアがなく、炎症性変化に弱いので機械的刺激を与えないようにやさしくブラッシングをしたり、清潔に保つよう注意が必要です。この部位の炎症に対する根本的な改善策としては、口蓋部分の歯肉弁を移植する手術が必要となります。

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