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小児矯正・矯正治療Q&A

矯正治療はいつ始めたらいいの?

特に受け口は、6歳以降にすぐに治療を開始した方がよいと考えられます。舌が出ていたり、お口ぽかんであったり、お口が閉じにくいお子さんはあごの関節が悪くなってくる前からのスプリントを用いた予防矯正という選択も有効であることが分かってきました。小学6年生以降に歯ぎしりがひどくなってきた場合は奥歯やあごの関節がすり減ったり関節軟骨が側方にズレないうちに対応が必要なことがあります。(関節軟骨の側方のズレは一旦生じると治療でも非常に治りにくい)

5~8歳…上あごの前方への牽引、下あごの成長抑制、低位舌、異常嚥下、発音に対する訓練をする時期
8,9歳…「おくちぽかん」の場合、この頃から上あごが前下方に移動すると共に関節が悪くなり下あごが後退し下がりはじめる。
11歳…高学年から歯ぎしりがひどくなる。スプリントで歯ぎしりを防ぎ、あごの筋肉の緊張をなくすことができる。
女子の場合骨格成長ピーク前なのでここまでにあごの関節を正常にしておいたほうが2期治療の治りが良くなる

子供のうちに矯正するメリットって?

あごの後退、前進、下降、偏位といった悪化を予防できます。
子供のうちに呼吸、嚥下などのお口の機能や筋肉の過緊張、バランスを早いうちから正常化させておくとともに、アンバランスやストレスによって将来生じるであろう下あごのズレやあごの関節の変形、それによるかみ合わせや側貌の不調和を未然に防止し、より美しく保つことができます。
機能のアンバランスを改善できます。
子供のうちに口呼吸、異常嚥下、低位舌、お口ぽかん、オトガイの緊張、歯ぎしりなどのお口の機能や筋肉の過緊張を正常化させておくことで、正常な上顎骨と下顎骨の発育をサポートし、安定したかみ合わせを作るのに役立ちます。
人によって抜歯の可能性を少なくできます。
きれいな口元を実現しながらも抜歯の可能性を減らすことは成人では非常に難しいですが、子どもであればあごを広げたり、親知らず代わりに前方の歯を抜歯することで可能だったりもします。(とはいえ、口元の形態が悪いお子さんはたとえあごの関節が良くなっていても後々小臼歯抜歯して仕上げる場合も多いのを御承知おき下さい。
取り外しできる装置で矯正できます。
お子さんの矯正でよく使われる拡大床は、取り外し可能な矯正装置です。自分で着け外しができるため、食事のときや歯みがきのときに外すことが可能です。 お子さんが喜んで装置を使い始めるということはあまりないかもしれません。最初は少しづつ行う、徐々に時間を増やす、無理をしないなど家族ぐるみで工夫してみましょう。また、おう吐の癖があるお子さんについては、どうしても支障を来す場合に限り、装置の変更などを行うことがありますが、装置を途中から変更した場合についての代金は頂きません。
あごの大きさ、バランスを整える事ができます。
あごの位置が後方にあると口もとが実年齢よりも寂しくなってしまいます。あごの前後的位置は審美上重要な要素なのです。また、あごの幅についてはたとえば口呼吸などで舌の位置が低いと上あごはV字のようにせまくなり、首の筋肉は弛緩下がってきます。拡大床は本来の幅よりもせまいV字のあごの骨を正常(U字)に広げ、歯が正常に生えるスペースを作ります。あごの骨が広がると聴力が改善するというデータもあります。こどもの矯正治療はきれいな歯並びと同時に、正常なあごの骨格を作り、本来の正常な機能を取り戻す手助けをします。

子供のどんな癖に注意したら良い?

ゆびしゃぶり
前歯に力が加わり、歯や切歯骨(上顎の骨)が前方に出てきます。
ほおづえ、片方を下にして寝ている
勉強しているときにほおづえをついていたり、片方を下にして寝ていると、あごに頭の重さがかかり、歯並びが悪くなったり、顎関節症を起こす割合がとても高くなります。
転んであごを打ったことがある
過去に砂場で転んだ、などの原因により、あごの関節に縦のひびが入り、あごの発育が左右でアンバランスになることがよくあります。
激しい歯ぎしり
交感神経の亢進が考えられます。時にストレスによる口臭を伴います。放置しておくとあごの関節や奥歯がすりへってきて、あごの関節も左右非対称な形に変化します。
お口ぽかんが多い
鼻閉などで口呼吸を放置していると、口蓋扁桃が腫れやすくなります。お口ぽかんの子どもは咬む力が弱く、あごの成長が垂直方向に変化することで、下あごは開口方向に回転します。また首の筋肉が弛緩したり口を閉じにくくなりますお子さんによっては、咽頭扁桃が肥大しているため、せまくなった気道を確保するために口を開けている、あるいは舌骨の位置が低位で気道が狭窄しているため口を開けていることもあり、診査が必要です。上の歯並びがV字になることでせまくなりやすく、さらに舌が低位にあるため受け口の原因にもなります。
食事が長い
食べこぼしたり、食事中舌が出たり、あるいは飲み込むときに口元に力が入っていませんか?舌が下あごを前に押していることで受け口を悪くしたり、上下の前歯を前に押すことで上下顎前突や開咬の原因となります。

治療後の後戻りについては?

矯正治療が終わったら取り外し式の保定装置は2年間、必ず装置をつけていただきます。それをしっかり守っていても、生物ですので変化はあります。海外では有名なハリウッドスターでも、矯正装置を再度つけるということも聞きます。当院では後戻りの少ないかみあわせを作ることを心がけておりますし、逆に矯正治療後に歯の位置が0.1ミリ単位で微妙に変化していくことで、歯並びが安定化したり良くなることも見受けられますが、矯正治療後の変化により多かれ少なかれ好ましくない変化も起こりえます。以下に後戻りの原因と対策について説明します。

【後戻りの原因】
①舌や唇の機能的な問題によりあごがせまいタイプで、(良く噛まない、口をぼーっと開けていたり、舌運動が悪かったりするような)機能的な問題が解消されていない
②矯正治療によって引っ張られた歯ぐきの繊維が本来の位置に戻ろうとするために生じる前歯などの部分的なねじれの再発
③ほおづえ、片側咀嚼、うつぶせ寝など個人の普段の生活による歯並びの若干の対称性のくずれ
④歯の形態がずんぐりしていること(橋脚やトンネルを丸い石では支えられないのと同じで、歯がずんぐりしていて歯と歯の間の接触が点接触であると、力学的にアーチがくずれやすい)
⑤親知らずのが歯並びを押している
が挙げられます。

【後戻りの対策】
対策としては、治療が終わってから前歯の裏に貼る接着性リテーナーは全部は外さないでおいた方がいいと思います。取り外し式の保定装置を外してしばらくしたあとに再度つけたときに窮屈な場合、ちょっとでも後戻りさせたくない場合には毎日就寝時につけておいて下さい。3−4年後、装着頻度は違和感がなくて、つけ忘れがない方であれば徐々に伸ばしていくようにします。たとえば3日に1回装着するだけでも違和感がなければ、後戻りが少ないと考えられますので、そのようにしてつけ忘れがない方は多少は間隔をあけて構いませんが、使用の中断や中止は絶対にしないで下さい。

【再治療の費用】
保定管理は自己責任となり、後戻りの再治療はその時のお口の状況に応じた費用がかかります。
後戻りを放っておくとだいたい悪くなりますので、保定装置が合わなくなったり、接着性のリテーナーが多少でも外れてきたり、少しでも歯が戻ってきたと感じたら放置しないで(再治療になる前に)ご相談下さい。

ブラケットの治療に痛みはある?

ブラケットの治療における痛みとしては、大きくわけて、①歯の痛み、②装置が粘膜に与える痛みがあります。
①歯の痛みについては、歯を動かしていくので、歯が押されているような適度な締め付け感、軽い痛み、あるいは歯が浮いた感覚があります。半月程度するうちに最初よりも少なくなってきます。なお、当院では、痛みがなるべく生じないように治療初期の段階で、非常に細いワイヤーや、氷を噛んでいただくと痛みが和らぐワイヤーを用いています。
②粘膜の痛みは、装置によって粘膜がこすれる、装置が粘膜に食い込むといったものですが、じきに粘膜が固くなり、慣れてくると思います。しかし、装置が外れて痛みを生じている場合には、早めにご連絡下さい。また、お口の中が汚れている方はそれだけで口内炎ができやすくなりますので、矯正治療の前にはしっかり歯磨きを習慣づけましょう。ほっぺたの力が強い方は、装置にほっぺたの筋肉が食い込み、気になることがあります。このような場合は、装置の角ばった所を丸めたり、柔らかいもので覆うといった対処で気にならなくなります。
【痛み止めについて】
歯を動かしている時期の、歯の痛みに敏感な方、頭痛、生理痛などに対する痛み止めとしては、ごく最近の見解としてはロキソニン、ボルタレン、バファリン、イブプロフェンなどの消炎鎮痛剤の繰り返しの服用は骨代謝を抑制し歯の移動をやや遅めたり、硝子様変性に対する破骨細胞の活性化を抑制することでやや歯根吸収の可能性があるため、タイレノール(成人量一回2錠、最大1日3−6回までで、日本でも2010年に容量拡大が認められた)あるいはカロナール錠300(同様)といった中枢に作用するアセトアミノフェン製剤がより良いと考えられます。ただ、もし一部の歯にどうしても力が集中して、そこの部分に通常よりも強く我慢できない痛みが出てきた場合、親知らずの抜歯後には、ロキソニンなど局所の抗炎症作用を有するロキソニンを服用してよいと考えます。

ブラケットの治療の注意点は?

上下の歯の間にゴムをかけるように言われた場合は、前歯が開いたり治療が長引かないためにも、しっかりと食事中以外昼夜使用して下さい。粘着性のあるものや、硬い物を噛まないように注意して下さい。
吹奏楽や柔道などをしている方はブラケットをつけると痛みがありますので、練習中につけていただくためのカバーをお渡ししています。噛み合わせが非常に深い方は、治療途中で治療上の必要から噛み合わせを一旦高くすると、最初のうち食事が噛みきりにくくなったりすることがありますので、最初は短めに来院していただきます。特に歯の表面に装置を付ける場合には、汚れがたまりやすく虫歯に対する抵抗力が弱くなるので、虫歯が一旦できてしまうとあっというまに広がってしまいます。そのため、いつもと違って歯のお掃除と食習慣(甘い物、スポーツドリンクなど)に注意する必要があります。虫歯になりそうな汚れがある場合には当院でお掃除させて頂いていますが、それで虫歯にならないわけではなく、あくまで一時しのぎにすぎず、日頃のケアが最も大切です。

骨格の遺伝が気になる...

1.受け口に対する当院のアプローチ
いわゆる出っ歯のケースの多くや、受け口でも骨格は正常で遺伝もない場合は、早いうちから治療すれば改善しやすいと考えられます。一方問題となるのは遺伝性の受け口の場合です。そのためここでは受け口についてのみ説明します。現在では、下顎を大きくする遺伝子が存在し、遺伝子の長さが大きいほど受け口の傾向が増すと言われています。そのため小学校から矯正治療をしていても、下あごの成長がどうしても止められないことがあります。しかしながら、当院では矯正治療をせず放っておいて重篤な受け口になるのを待っているよりも、早くから舌の訓練や受け口を改善する治療をしておくべきだと考えています。
2.受け口の早期治療について
治療の流れは、身長の伸びる頃に下あごがぐっと出てきますので、それよりもずっと前に、できれば3-5歳ころから下あごの成長を抑えるための帽子の装置やお面の装置をしっかりつけていただいて前もってあごを後退させ、舌を持ち上げるトレーニングを早期からしておくという流れになります。それで受け口が解決することもありますが、思春期に受け口が再発することもあります。それでも少なくとも思春期前に一時的な改善は期待できますし、それだけでもお子様、お母様にも放っておくよりも心理的な安心感を与えられます。
3.思春期の継続治療
骨格性の受け口ではほぼ全員、遺伝の影響により再発する可能性を十分考慮して、身長の伸びが完全に終わるまではチンキャップを欠かさず使いながら当院で経過観察させていただき、成長が終わるまでの長期間、受け口が悪化しないように舌の位置と機能を改善するための舌の訓練や舌の運動の確認を継続することとなります。
4.受け口における注意点
結果的に遺伝の影響が非常に強かった場合、あるいは矯正治療を始める時期が遅かった場合、矯正治療で一旦うまくいっていても油断して身長の成長期に長期間帽子の装置をやめてしまっていた場合、治療や舌の訓練に対して御協力が頂けなかった場合には、最終的にあごの手術が必要となることもあります。(顎の手術は専門の病院で保険にて行い、矯正治療は当院にて別途保険にて継続して行っていくこととなります。)
舌の訓練は最も重要だと考えています。たとえ顎の手術を行ったとしても、舌の機能に問題がある場合には手術後のお口の変化に機能がついて行けず、手術後に受け口が再発することもあります。

親知らずは抜いた方がいい?

成人で矯正前の場合、上の親知らずについては、出っ歯の人やかみ合わせが悪い人は親知らずを保存して一つ手前の歯を抜歯することがあります。一度相談に来て確認してからの方が良いでしょう。ただ、上でも親知らずが小さかったり形態が不正であれば抜歯しても構いません。もし上の親知らずを機能させない場合、上の親知らずは一般的に矯正後に出っ歯にしてしまったり出っ歯を改善しにくくしてしまうので例外なく抜歯した方が良いでしょう。下の親知らずは、まっすぐ真上に生えてしっかり噛んでいなければ無条件で抜歯しておいたほうがよいですので、根っこが完成しないうちに抜歯しておくという手もあります。

年齢が上がってからの矯正は難しい?

年齢が上がっても、基本的に同じような方法で矯正をすることが可能です。なお、矯正は歯ぐきの状態に良くも悪くも影響を与えるといわれており、矯正中はしっかり磨いておく必要があります。ブリッジやかぶせものがあっても、歯の根っこの状態が良ければ基本的には治療可能ですが、歯の状態がわるい場合は、かかりつけの先生に歯の状態を確認しておく必要があります。ごくまれに気づかないうちに外傷をおこしていた歯は、骨と癒着していて長期間何を行っても全く動かないことがあります。最後の手段として手術的に動かして動かすしかないと考えられます。年長者でとても歯が動きにくい人もいますが、時間を十分かければ、少しずつ動きます。健康状態、特に代謝疾患や骨疾患によって歯が動きにくい人、低エストロゲン症などのホルモン異常で顎関節症のリスクが高い人は避けた方が良いですが、健常者であれば歯の移動のしやすさに年齢差はあるものの、治療自体に問題はありません。
最後に、矯正治療は長期にわたるお付き合いなので、もし心の病気、例えば醜形恐怖症、不安神経症、分裂気質、躁鬱気質などを併発していたら難しいかもしれません。

がたがたや出っ歯が大きいが抜歯はしたくない

日本人の一本当たりの平均的な歯の大きさは、50年前の医科歯科大学小児歯科学講座の1000名の統計結果と比べると(おおよそ0.5mm程度)明らかに大きくなってきています。また、日本人のアゴは奥行きが短いので奥歯の位置をさらに後方に動かすと無理が生じ、上下の奥歯の山同士が当たる傾向があります。そのため矯正治療により下あごが開いて後ろに下がりやすい傾向があり、前歯同士に隙間が空いて治療が長期化し、結果的に抜歯することもあります。
お子様の場合ですと、1期治療の結果抜歯を避けることが出来ることももちろんあります。ですが、難しいこともあります。そのようなとき、治療目標がただ歯を抜かずに並べるということであれば、無理にも並べることは可能かもしれません。しかしもし機能的な歯並び、歯を支える骨や歯周組織を考えた上での歯並び、口唇の突出感や緊張感や顔貌全体を考えた歯並び、そしてあごをずらさないであごの関節に負担をかけず、治療後安定することを目的とする歯並びであれば話は違ってくるわけです。

妊娠出産中の矯正は大丈夫?

治療中の妊娠出産についてですが、矯正中に妊娠出産される方は多く、通常は安定期に抜歯、麻酔、アンカー植立をするなどして対応して矯正治療を継続し、出産後の新生児を伴っての来院も対応しておりますのでまず通常問題を起こすことはありません。ましてや途中まで支払ったもの、治療が進行したものを中止までする必要は全くありません。 これを読んでいる方はある程度その可能性をあらかじめ考慮していると考えられますが、まれに、スプリントや矯正の診断まで行った後で突然治療の中止を希望する方もいらっしゃいますので、契約前に治療中の懐妊の可能性をご本人、ご家族と念頭においておく必要があるでしょう。

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