かみ合わせを考慮した矯正治療

“If you are not part of the solution, you are probably part of the problem.” ___ Roth
当院はDr Roth の方法で治療を行っています。このページではそれがどのような治療でどのような考え方かをご理解頂くために解説しています。

自分が今閉じている、噛んでいると思っている歯の接触した位置は咬頭嵌合位といって、単に上下の歯列が均等に接触している位置にいくように筋肉がサポートしているにすぎず、無意識的、意識的、あるいは習慣的に筋肉の誘導によってそこで噛まされているのでその位置が真のリラックスした下あごの位置とは違うのです。本来の理想的な下あごの位置は、あごの関節のレベルで正常である必要があることが分かっています。このときの理想的な下あごの位置を中心位といいます。
また、もしはぎしりや硬い肉を噛んだときに「キュッ」「ギュ」と奥歯からきしむ音がしたなら、これは顎が動いたときに奥歯がこすれてしまうために起きる音です。顎が動いたときは本来は犬歯しか当たってはいけないのです。
もし成長期にあごの関節や口呼吸によって筋肉のバランスが悪かったならば、あごや歯のズレがひどくなったり、あご先(オトガイ)の位置が下方にいったり後ろにさがったり横にずれたりするでしょう。また、筋肉の過緊張が起きたり、頭がいたくなりやすくなります。そのうち奥歯がすり減ったり、欠けたり、むし歯でもないのにしみたりといった様々な症状が徐々に引き起こされます。その時のあごの関節はずれ、すり減り、ゆるくなっています。
まず、その人本来のあごの位置を必ず全員最初に確認します。
それから必要があればかみあわせ治療によってあごの関節の緩みや負担を改善したり、あごに問題がない人でも、最終的なかみ合わせを考慮しながら矯正をします。
あごの関節をよくすることで、筋肉の調和と正しいあごの成長が促されます。
あごの筋肉を使わなくてよくなることにより筋肉が減って口元や顔の輪郭が改善することがあります。また、奥歯の歯並びの不調和や歯ぎしりなどによってあごの関節の問題が起きることを未然に防ぐことで顔の非対称がなるべく起きないようにするための予防の意味もあります。そこから矯正治療によって骨格と歯列を改善していきます。子どもでは、成長と共にあごの形態と位置を改善する効果を期待してスプリントを使用します。
あごの関節のズレは多くの人で認められますが、ズレを一度でもよくしておけば矯正治療で一旦かみ合わせが変化しても最終的にうまくかみ合う位置に持ってきやすくなります。

ぬかるんだ土の上に家を建てたら傾いてしまうのと同じで、あごを支えている関節が正しい位置にあって初めて顔貌をより美しく健康的に改善し、軽い力で全ての歯が均等にかみ合い、歯並びも長持ちできるという考え方です。
最後にRothの言葉を引用します。
Although it has been shown by Sadowski that there is no “statistically significant difference” in incidence of TMJ or periodontal problems between orthodontically treated and untreated cases, if we are honest with ourselves we must ask the question, “If patients undergo orthodontic treatment and orthodontic treatment is supposed to be a health service, shouldn’t the treated patients be better off than the general population of untreated patients?!!” In short, are we Health Care Professionals or just cosmetologists? Lysle Johnston says: “The only reason a patient should undergo orthodontics is if he or she wants to look better.” If this is true, then orthodontics is not a Health Service.
「患者が矯正を受けている場合、治療は医療サービスであるはずだが、治療された患者は未治療患者の一般集団よりも健康によいはずではありませんか?!!」
Both Andrews’ studies and Roth’s studies confirm that there are very specific tooth positions that natural teeth must occupy, within a very small range of deviation, in order to satisfy the best occlusal goals. These findings and the work of Robert L. Lee regarding esthetics and function of the dentition are all in agreement as to where teeth belong and why they belong in certain positions both from the standpoint of function and esthetics.
アンドリュースとロスの研究はどちらも、最適なかみあわせの目標を満たすために、自然の歯が占める必要のある特定の位置が非常に狭い範囲内であることを確認しています。歯列の審美性と機能に関するこれらの調査結果とロバート・リーの研究は、機能と審美性の両方の観点から、歯がどこにあるのか、なぜ特定の位置にあるのかについてはすべて一致しています。
—by Roth

高校生までの矯正の大体の流れと適応する装置について(状況により異なります。)

上記のどれかを選択して使っていきます

成人の矯正の大体の流れと装置について

その状態で矯正していくか、スプリントをしてから矯正するか判断します。
注意:初診時にもともとあごの変形やあごの形の非対称が気になっている成人の場合には、改善に外科的矯正治療あるいはオトガイ形成外科治療(外科矯正のリンクを参照)が必要となります。

顎機能診断・治療システムの流れ

咬合器への装着

仮の中心位(楽な位置)資料

アンテリアジグによる中心位描記

パナデント咬合器に模型を装着

精密検査は、あごの関節の診査後、特殊なワックスで中心位(centric relation)を取得し、あごの関節の状態を再現した咬合器というものと、CPIという顆頭位置のデータにより習慣性咬合位と仮の中心位における診断を全員に行います。また、この診断方法は治療開始時以外にも、治療の確認が必要な節目には必ず必要となります。
初診相談の説明と細かな違いが生じる場合があります。
なお、お子様の場合は診断の後にスプリントを使うか、他の取り外し可能な矯正装置による矯正治療を開始します。

According to Roth, Ware, Cordray, Utt, and others, some patients have hidden skeletal problems that must be diagnosed before initiating treatment. They maintain that the practitioner may not be able to trust the occlusion observed in the mouth. A dual bite, defined as the difference in condylar position between maximum intercuspation/centric occlusion and centric relation, may exist. Thus, they advocate mounting study models in centric relation in order to detect the slide. —Sadowski

顎位の誘導

スプリントの使用 日頃の筋肉の不調和による下あごのねじれ、偏位を診断するために、スプリントで一旦かみ合わせを高くし、楽な位置で噛んでもらいます。スプリントは日常的に装着して頂きます。 スプリントの使用 日頃の筋肉の不調和による下あごのねじれ、偏位を診断するために、スプリントで一旦かみ合わせを高くし、楽な位置で噛んでもらいます。スプリントは日常的に装着して頂きます。

顎関節CT/MRI (依頼)撮影による確認/当院の最新型のCTで、あごの関節の写真を撮って進捗状況を確認する場合もあります。歯一本撮るためのレントゲン写真と同等の放射線量で判別可能です。 顎関節CT/MRI (依頼)撮影による確認/当院の最新型のCTで、あごの関節の写真を撮って進捗状況を確認する場合もあります。歯一本撮るためのレントゲン写真と同等の放射線量で判別可能です。

スタビライゼーションスプリントを調整し、来院時に安定を確認します。
※あごの関節やかみ合わせに大きな問題がない人、スプリントの効果が少ない場合は、スプリント、アキシオグラフ、再診断までの流れを全て行うとは限りません。また、成長期ではその時期その状況下で必要がない場合には使用しません。

顎関節のMRI撮影はなぜ必要?

あごの形態、動き、その他問題があれば、あごの関節のMRIをスプリント治療前後の2回、撮影します。

中学2年生 あごの痛み MRI撮影 中学2年生 あごの痛み MRI撮影

上の人は中学2年生で、勉強を一生懸命にしている患者さんで、ストレスによるあごの痛みがあったのでMRIを勧めて撮りに行ってもらいました。MRIでは、関節円板といって、あごの関節の間に座布団のように挟まっている円盤状の軟骨を見ることができます。見てみると、通常はintermediate zoneが下顎頭の中央に接していて、posterior bandが下顎頭の上方に来ているのですが、それらが前にずれているのが分かります。このままだとお口が開かなくなり、完全に前にずれて、下顎頭の吸収によりあごの成長や呼吸に影響を与え、今後は食事の時にあごの音がはっきりと鳴るようになり、まっすぐ開け閉めできなくなってしまいます。そうなってからの治療による円板の復位はまず困難です。
CTだけでは位置が問題なくても、MRIで初めてあごの関節にダメージがあるのが分かることもあります。ですので、面倒ですがMRIの撮影は重要なのです。当院では6歳以上の方で何らかの気になる問題があれば、スプリント治療前後のMRIを撮影依頼をさせて頂きます。

小学生 あごの痛み MRI撮影 小学生 あごの痛み MRI撮影

右上の関節は小学校6年生の女子です。初診時触診すると一部にあごの痛みがありましたが、両親がMRIを撮影することに躊躇していたのでMRI撮影していませんでした。治療半年後、顎関節症状が生じたためMRIを改めて撮影しました。その結果、完全に円板がズレてしまっていました。あごの関節に何か問題があると正常な成長がなされません。もし半年前に撮影し、円板を正しい位置に誘導、予防できていたらと悔やまれます。

顎運動

下顎運動・測定装置/顎の動きを確認し、顎関節の位置と緩みの有無を診査します。 下顎運動・測定装置/顎の動きを確認し、顎関節の位置と緩みの有無を診査します。

スプリントによって筋肉のリラックスやあごの位置の改善が見られた人には、アキシオグラフを用いて正しい回転軸を計測し、それを利用して4のピンモデル診断において治療後の歯や骨格、顔貌の変化をVTOのイメージを用いて治療前に予測します。成長期の場合、必要に応じて行います。

The use of true “hinge-axis” and accurately mounted models allow “trial treatment” of the occlusion in the laboratory instead of on the patient. The use of the VTO (visual treatment objctive) on the centric converted tracing also allow “trial treatment” and the selection of the most appropriate treatment plans prior to working on the patient. It also allows the orthodontist to know the limitations of treatment in terms of the “ideal goals”. —Roth

ピンモデル診断

ピンモデル診断/ピンモデルによりかみあわせの問題を3次元的に解決する方法を考えます ピンモデル診断/ピンモデルによりかみあわせの問題を3次元的に解決する方法を考えます

顎位安定化後の顔貌写真、口腔内写真、下顎運動測定によって得られた正しい顎関節の位置を咬合器に再現した上の模型、下の模型を歯が取れるように分割し、正しいかみ合わせの位置で咬合器に装着した模型を用意し、それぞれの歯に必要な移動量を計算します。そして、顔貌の改善のためのオトガイの前方移動量、必要な装置や抜歯した場合、しなかった場合の顔貌の違いをコンピューターシミュレーション上で改めて説明します。最初の診断よりもよりはっきりと方針を説明することが可能となります。2-4を行わない場合もあります。

矯正治療

矯正装置のセット/正しい位置に歯を並べるようにします。 矯正装置のセット/正しい位置に歯を並べるようにします。

<お子様の場合>
型どりをして矯正治療を開始します。
<表側の装置の場合>
1. 最初に3回くらいに分けて全体的にブラケットや奥歯にバンドを装着していきます(どこを先に付けるかなどはその場で診察した上で決めますが、前歯は最後に付けます。)。
2. 一通りバンドやブラケットを装着しながら、抜歯の紹介を致します。
3. その後、状況によって付加的な矯正装置、矯正用アンカースクリュー、矯正用アンカレッジシステム(i station)、ヘッドギアの夜間装用をしてもらいます。
※診断時に決めた流れの中でどの装置をいつセットするかという具体的な順序は、その人の来院回数を減らすためや、治療期間の短縮、医院の事情などに応じて以前の説明から若干変更する場合がありますが、診断時の治療の流れに大きな影響は生じません。

ポジショナーのセット

ポジショナーのセット/保定装置で歯の位置を保つか、ポジショナーで歯並びの仕上げを行います。 ポジショナーのセット/保定装置で歯の位置を保つか、ポジショナーで歯並びの仕上げを行います。

矯正治療後に歯並びを仕上げるポジショナーという装置を付ける場合があります。そのあとリテーナーという装置を就寝時使用して頂き、歯並びを維持していきます。

治療例

矯正治療前 → 矯正治療後

抜歯と顎関節部分の成長によってアゴ先の位置が変化し、あごと口角周囲がリラックスした

以下は、上記写真に関する解説です。

治療内容
1期治療でツインブロック装置・拡大床、
2期治療で第一小臼歯4本抜歯+マルチブラケット装置(上下)
治療費用
85万円〜(一般参考)
リスク・副作用
歯茎の高さや骨格の状態によって、オトガイ(あご先)の変化を期待するのが難しい場合があります。(※ 個人差があります)
もっと知りたい
さらに詳しくお聞きになりたい方は、
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スプリント治療前 → 矯正治療前

リラックスすることであごが小さくなるとともに口角の緊張感が消失し、関節音も緩和してきたが
歯並びと口唇閉鎖時のオトガイの緊張感については矯正で改善していく必要がある

以下は、上記写真に関する解説です。

治療内容
スプリント
治療費用
40万円〜(一般参考)
リスク・副作用
顔面の左右偏位については、筋肉の付き方に左右差がある場合にかぎり矯正単独の方法やスプリントを用いて良くなることがありますが、ほとんどのケースで上下顎の手術を伴う矯正治療(=外科的矯正治療、2週間の入院と3ヶ月の安静期間が必要です。)あるいは輪郭の骨の削除やオトガイ形成術(あご先の骨だけを移動させて、上・下顎や歯並びは全く変えない美容外科的手法)によって改善させます。
外科手術は副作用として口唇のしびれが残ることがあり、無理な計画を立てた場合には呼吸や嚥下に影響を与える可能性も考えられますので、明らかに骨格に問題がある場合以外は、こちらから積極的にお勧めするものではなく慎重に御検討いただく必要がございます。(※ 個人差があります)
もっと知りたい
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矯正治療前 → 矯正治療後

正面では顎角部の咬筋の張りと噛む力が減少し、アゴの形が変化した
軽く閉じたときに前歯と奥歯が均等に接触するのがよい

以下は、上記写真に関する解説です。

治療内容
マルチブラケット装置
治療費用
80万円〜(一般参考)
リスク・副作用
骨格の奥行きに個人差があったり、歯の動きに個人差があるため、意図した通りに奥歯が後退せず後から抜歯となる可能性もあります。歯が大きい人の場合は、歯を細くした場合にしみる可能性があります。(※ 個人差があります)
もっと知りたい
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正しく噛むということは、心身の健康に関係するともいわれます。
当院ではまず「正しく噛むこと」からスタートし、症状に合った矯正治療のサポートをさせていただきます。お気軽にご相談ください。

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