院内新聞
子どもの矯正治療について③身長の成長期における矯正治療
③身長の成長期における矯正治療について
この時期は身長が伸び始め、性成長も始まってくる時期に始まり、おおよそ小学校6年生から中学校3年生の時期にあたります。
歯並びは、横の歯も頻繁に抜け替わって永久歯列へと変化していき、12歳以降に12歳臼歯(手前から7番目の歯)が生えてきます。
お顔の骨も、上あごと下あごが前下方へ幅を増しながら成長し、下あごはあごの関節を中心として成長することでオトガイが前方に成長し、鼻が高くなることで、相対的に上唇と下唇が、鼻とオトガイを結んだ線よりも内側に入ってきます。
この時期の問題としては、
・下あごの後退、すなわちかみ合わせに問題があってあごの関節を中心とした成長が足りない場合に前歯が当たらない。
・面長でオトガイがさがる、出っ歯が増したり、がたがたによってあごの関節に緩みが生じてあごが左右にずれたりしてくる。
この時期に行うことは、
①受け口であればあごの成長が収束する時期が分かるまで観察する。
②12歳臼歯や親知らずによって不安定となっているあごの関節を安定化させるためのマウスピースを入れて、あごの位置を楽な位置で安定化させ、あごの筋肉の緊張をとりのぞき、あご先(オトガイ)の前方への自然成長を図ること。
③親知らずや12歳臼歯の生える力によって手前の歯並びが前方に押し出されるため、必要に応じて上の歯列、あるいは下の歯列をリップバンパーやヘッドギアで後方へ戻すこと。
④骨格の成長を見ながら適切なタイミングでブラケットとワイヤーによる装置で上下の歯を配列すること。
となります。
そのために使用する装置としては、
※あごの関節に問題があって、下あごが後方や下方に下がっていたり(面長)
あごの成長が足りない場合はアゴの位置を安定化させてオトガイを前方に
成長させるためのマウスピース
※受け口を改善したり悪化を防ぐための帽子。
※ブラケットとワイヤーによる装置、それと併用して出っ歯、受け口や
開咬を治すため24時間歯に掛けてもらう輪ゴム、開咬や出っ歯であれば
面長や上あごの突出感を改善させるための帽子の装置。
等があります。
いずれにせよ、最終的には状況に応じて抜歯を行いながら全部の大人の歯にブラケットをつけて12歳臼歯まで配列していきます。