呼吸と歯並びの深い関係

正常な状態。口を閉じて舌は口蓋に位置し鼻呼吸が確立されている。そのため上顎と鼻腔の発育が正常になされ、閉口筋と開口筋のバランスが取れ、顔面高も正常に保たれる※1。(以下、主な参考書籍: ※1 近藤悦子 : Muscle wins!の矯正歯科臨床 Ⅻ-9:(2007) 医歯薬出版)

正常な呼吸 イメージ
正常な前歯は、舌と口唇との力のバランスのとれた位置にある。
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通常の奥歯は、発育とともに、舌とほっぺたの筋肉との力のバランスがとれた場所に位置してしっかり噛み合ってくる。
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【正常の呼吸の気道と舌の位置】
舌は厚みがあり、舌骨が上方にある。鼻で呼吸している。
気道(青)は、咽頭扁桃で5mm、口蓋扁桃で14mm以上の幅が確保されている。

口呼吸の場合。開口癖、口呼吸により上顎および鼻腔は狭く、高口蓋となる。顔面高が高く面長になり、アレルギー性鼻炎の合併や慢性的な鼻づまりを起こしやすい※2。(※2 William R Proffit : 新版プロフィットの現代矯正歯科学 :137-138 (2004) 医歯薬出版) 咀嚼筋が弱く、下唇が厚ぼったい。首筋がたるんでいる場合が多い※3。(※3 中島榮一郎 : アトラス矯正に強くなる本 気道と不正咬合 :122-127 (2004) クインテッセンス出版)

口呼吸の場合 イメージ
口呼吸や指しゃぶりでは、舌の押し出す力と、口唇の閉じる力の不足によって前歯が前に倒れたり上下の前歯同士が開いてくる。
口呼吸の場合 イメージ
常に口が開いていることで上の歯列が狭くなり、かみ合わせに影響する。
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【口呼吸患者の気道と舌の位置】
舌は平たく、低い位置にある。
扁桃腺がはれていると、上気道や喉頭蓋の中気道が狭くなる。気道を確保するために舌を前に出し、口を開けて息をする。そのため噛む力が弱くなり、顔面の高さが高くなる。舌を下げる舌骨下筋群が緊張し、舌骨(灰色)が重力で下降している。口唇が乾燥し、紫色でぼてっとしている※1,3。

舌の動きが悪いと歯並びが悪くなる

臼歯の位置は、舌、咀嚼筋との力のバランスに影響される。開口癖で舌背が口蓋(こうがいと読む。つまり上あごのこと)に達していなかったり、頬筋や咬筋の力が過剰だと、上顎歯列弓と上顎歯槽弓は狭窄しやすいといわれている※1。

正常な舌の運動 イメージ
正常な舌の運動 イメージ
舌の中央に力が入り、凸ませることができる。

下顎歯列が広がり、下顎前突や上下の前歯が開いた状態を呈する。口呼吸、舌小帯の短縮や、筋力自体が低い問題を有する事も多い※1,4(※4 山口秀晴 MFT入門―初歩から学ぶ口腔筋機能療法 わかば出版: 8-18)。サ行やタ行が言いにくいことも経験的に多い。

低位舌/舌の運動不良 イメージ
舌が下顎歯列を押すことで、下顎前突や開咬を誘発する※1,4。
低位舌/舌の運動不良 イメージ
舌が平坦で、運動時に凹んでおり、横方向に力が入る一方、凸ませることができない※1,4。

おいしく食べる為には

低位舌は、飲み込みの問題を起こすことがある。また、かみ合わせの悪さから、咀嚼方法に問題がある場合もある※1。

おいしい食べ方 イメージ
正常の飲み込み(嚥下運動)
舌は全体的に上方にあがり、舌の中央にしっかり食べ物を保持している。
鼻で呼吸している。気道は、咽頭扁桃で5mm、口蓋扁桃で14mm以上の幅が確保されている。
おいしい食べ方 イメージ
正しい咀嚼
咀嚼時に奥歯でしっかりすりつぶしている。
また、しっかりとこぼさずに、前歯でかみ切ることができる。
そうではない食べ方 イメージ
異常嚥下
嚥下時にも、舌の後方以外は低い位置にある。指しゃぶりや赤ん坊の吸啜と同様に、舌が前方に出て、飲み込むときに口の周りに力が入る。嚥下時に舌の上に食物を乗せるのが難しい。硬い物をよく噛めていないことが多い※4。
そうではない食べ方 イメージ
前方咀嚼癖
咀嚼時に奥歯ですりつぶすのが難しいときは、垂直にかみ切る運動しかできないので、噛むのに時間がかかったり、まっすぐにしかかみ切れなかったりする。そのような場合、手前の歯でくちゃくちゃ噛む音がする。
さらに前歯が離れていて、前歯でかみ切れない場合、食べこぼすこともある※4。

噛む力が強い場合の問題
くいしばりや歯ぎしりは、咀嚼筋の過緊張と筋肥大をもたらし、顎の骨格、かみ合わせや顎の関節に影響を及ぼします。
対策としては姿勢の改善と、意識して噛まないようにして頂くことが大切です※1。

噛めない子の問題
軟食の影響で噛む力がない人が増えております。日頃から噛んでいないということも、やはり顎の骨格に悪影響を及ぼします。このような場合はバイトプレートを用いた咀嚼訓練を行います。

  • あごのズレがある イメージ
  • あごのズレがある イメージ

習慣的な噛みぐせがある人の例です。
左の方が噛みやすいからといって左側に噛むことが多いと、お口を開け閉めするときに左側にあごがずれて運動するようになります。また、顎関節症になることもあります。噛んでいない側は頬がたるんでいます。このような場合は、右のほおづえ、うつぶせ寝(相当な力がかかります)をやめたり、右側で積極的に噛む様に心がけることが推奨されます※5 (※5 筒井 照子 他 : 態癖―力のコントロール :(2010) クインテッセンス出版)。
顔がゆがむということは、加齢と共に骨格も変化してきます。咀嚼していない側の下顎頭は細く華奢になり、噛む側の下顎頭は太くなり、下顎角の角度も左右差が生じてきます(右図)※1。

以上のことから、問題がある場合には、舌小帯切除や口腔周囲の筋肉のトレーニング(MFT: Myofunctional
training)や耳鼻咽喉科の受診で口腔機能発育におけるマイナス要因を改善することが勧められます。 当院におけるお口の正しい使い方トレーニング

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