かみ合わせを考慮した矯正治療

あごの外傷、ほおづえ、はぎしり、噛む力がなかったり、ほっぺたの力が強すぎるなどさまざまな顔面周囲の筋肉のアンバランスがあると、歯並びの不正にとどまらずあごの関節の亜脱臼により成長と共にあごが下がったり、あごや歯のズレがひどくなったり、あごが開いたり前歯が開いてきたりします。また、奥歯が変に当たることでかみ合わせの筋肉の過緊張や痙攣、若くして奥歯がすり減ったり、欠けたり、むし歯でもないのにしみたりといった様々な症状を引き起こします。矯正歯科を受診する患者で、あごの関節のズレによってそのような可能性を持っていたり、矯正治療中や治療後に噛む位置に若干のズレを生じる場合があります。
当院では、最初にその人本来のあごの位置とはどこかをスプリントを用いて見てみます。スプリントを昼夜使用することによって、あごの関節をもっとも安定した位置に誘導し、筋肉も最もバランスが取れた位置に持ってきます。そうすると、CTでのあごの関節の形態的なズレが改善したり、あごの筋肉が減ることで口元や顔の輪郭が改善します。
先に述べたあごの関節のズレは程度の差はあれ多くの患者で認められます。あごの関節のズレをそのままにして矯正治療を行うと、最終的に前歯が当たらなくなったり、治療中にあごが前後左右にずれてきてうまくかみ合わなくなったりします。ぬかるんだ土の上に家が建たないのと同じように、歯並びが長持ちさせるにはあごが正しい位置にあるということが大事です。そのため成人患者ではあごのズレがあれば最初にスプリントを昼夜装着してもらいアゴのズレをなくしておいた方が良いのです。したがって、第一に顎関節の診断を行い正しい矯正治療のゴール設定をすることではじめて満足な治療結果を達成する近道となります。そして、スプリントによってあごの位置が今までと違う新しい位置で落ち着き、生体に調和した正常な顎関節および筋肉のバランスが取れたアゴの位置が得られればその位置をアキシオグラフで記録、確認し、ピンモデルを用いて再診断します。(あごの関節やかみ合わせに大きな問題がない人、スプリントの効果が少ない場合、その他の要因で行うことが難しい場合もあり、スプリント、アキシオグラフ、再診断を全て行うとは限りません)。

顎機能診断・治療システムの流れ

咬合器への装着

仮の中心位(楽な位置)資料

アンテリアジグによる中心位描記

パナデント咬合器に模型を装着

顎関節の診査後、特殊なワックスで中心位を取得し、顎関節の状態を再現した「咬合器」で単なる石膏の歯型に生命を吹き込みます。顆頭位置の記録により習慣性咬合位と仮の中心位における診断を行います。

顎位の誘導

スプリントの使用 日頃の筋肉の不調和による下あごのねじれ、偏位を診断するために、スプリントで一旦かみ合わせを高くし、楽な位置で噛んでもらいます。スプリントは日常的に装着して頂きます。 スプリントの使用 日頃の筋肉の不調和による下あごのねじれ、偏位を診断するために、スプリントで一旦かみ合わせを高くし、楽な位置で噛んでもらいます。スプリントは日常的に装着して頂きます。

中心位に誘導するスプリントを製作し、スプリントの高さの調整を行い、顆頭位置の描記によって来院時にスプリントによって本来の正しい中心位への誘導がなされているかを確認します。あごの関節やかみ合わせに大きな問題がない人、スプリントの効果が少ない場合、その他の要因で難しい場合もあり、スプリント、アキシオグラフ、再診断までの流れを全て行うとは限りません。スプリントを夜間だけなどあまり積極的には使用しなかった場合、また、効果が少ない人も相談の上、途中で矯正治療に移行することがあります。成長期では、その時期その状況下で必要がない場合には使用しません。

下顎運動測定・筋電図測定

顎の動きを確認し、噛む筋肉と顎関節の状態をチェックします。 下顎運動・筋電図測定装置 顎の動きと筋肉の状態を確認し、顎口腔機能を検査します。

スプリントによって筋肉のリラックスやあごの位置の改善が見られた人には、アキシオグラフ、ピンモデルを用いてあごの運動の精査と再診断を行います。成長期の場合、必要に応じて行います。

矯正治療

矯正装置のセット 正しい位置に歯を並べるようにします。 矯正装置のセット 正しい位置に歯を並べるようにします。

矯正装置と矯正用アンカースクリュー、矯正用アンカレッジシステム(i station)、ヘッドギアなどの顎外固定装置の装用、場合によっては外科矯正によって、噛みやすい顎の位置(中心位)に適応するように歯列全体を移動していきます。

上記の治療システムが診断時に適用となる方は、通常の精密検査代に加えて顎口腔機能検査料がかかります。また、スプリントを製作する際には若干料金がかかります。くわしくは料金表をご覧下さい。

正しく噛むということは、心身の健康に関係するともいわれます。
当院ではまず「正しく噛むこと」からスタートし、症状に合った矯正治療のサポートをさせていただきます。お気軽にご相談ください。

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